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劇場版『鬼滅の刃』が興収100億円超え!でも映画館の経営がヤバい理由(武井 保之) | 現代ビジネス | 講談社(1/5)



映画館は映画だけが儲けではない。

鬼滅の刃が絶好調だ。スクリーン本数の数がまるで電車並みだと揶揄した人もいる。分刻みに上映される鬼滅の刃。記事にも書かれている通り、2週目の衰えがほとんどない。つまり、熱狂的なファンがいくら複数回観るという行脚を繰り返したところでこうはならないからだ。つまり、人気が人気を呼び、鬼滅の刃観た?はもはや流行語大賞すら狙えるほどのホットワードとなりつつある。鬼滅の話題を聞かない日がない。ましてやこの作品に纏わるSNSの盛り上がり方が衰える気配すらない。そしてネットニュースはそれに拍車をかけるように連日熱のこもった記事を連発している。わたしもそれに当てられているひとりだ。しかしわたしはあくまで傍観者。いくら盛り上がったところで映画館に足を運ぶことはしまいと固く決めている。それは安易に流行に乗らないぞというメインストリームに対するアンチテーゼではない。単にグロテスクな内容や、気鬱になりそうな暗いストーリーが嫌だという個人的な理由以上に、わたしが鬼滅の刃から本来感じるべきエンターテインメントがもはや映画の外にあるからである。わたしはその映画がわかりやすく盛り上がっている状況こそがわたしにとってのエンタメになるからだ。そこに足を運び、映画談義に花を咲かせることはわたしのエンタメになり得ない。周りに熱狂的なファンがいないという事実もそうだが、わたしが映画に求めるのは時代性もさることながら、そこから得る教訓だったりする。それは今るべき理由と密接に関わる。今みるべき理由がないのだ。前にも言ったがわたしは鬼滅の刃がなぜ流行るのかという問に対する考察がわたしにとってのエンタメになっている。そうであるならばなおさら映画を観るべきなのはわかっているつもりだ。観てこそわかる魅力があると思うからである。しかし。わたしはどうしても観たいと思えない。熱狂的なファンに支えられて興行成績を伸ばしつつも私個人はそれを頑なにスルーした映画は今回が初めてではない。過去にはエヴァンゲリオンや、シン・ゴジラなどの庵野監督作品。天気の子などのメガヒット作品もそれにあたる。それは後からテレビや動画配信サービスなどで見かけることはあったがやはりというか馴染めなかった。何が?と言われればわかりやすく言うと、熱狂的な人気に支えられている作品は確かに魅力的なのだろうけれど、それがチヤホヤされているときはその作品の評価が何倍にも膨れ上がった状態だと思うからだ。それはフラットに作品を楽しみたい私からすると過大評価してしまったり、また逆に過小評価してしまうリスクを伴う。常日頃からわたしはわたしの選択肢にこだわりを持っているほうなのだが、やはり選んだからには選んだなりの理由がほしい。先程も言った通りわたしのエンターテインメントが映画の外に存在している映画にいますぐ足を運ぶ理由がない。なぜ面白いのか?という部分に関してはストーリー、演出、音楽、声優の演技と、細かく分断して考察する必要があると思った。そこでわたしはまず作品にまつわる全体図から俯瞰して見てみることにしている。それはTVシリーズだったり、テレビでの取り扱われ方だったり。そしてグッズ展開のスピード感と、そのナインナップの内容、および、グッズ展開そのものの売れ行きなど。そしてなるべく作品から距離を置いた形で、それらのアナウンスに触れてみる。それをほしい!と思えるのか、どうなのかという視点だ。実際色んなグッズがでているが(コラボ含め)、それらは別段他の作品より優れているとか、そういった魅力はいまのところない。そもそもグッズ展開はある種のノベルティの延長のようなベタなラインナップとなることがほとんどなので仕方がないのかなとは思う。作品を良くしようとあのてこのてで画策するアニメーション制作会社とは違い、グッズ展開は絵柄こそ作品に寄せるものの、それ以外の要素はほとんど似たり寄ったりなのである(あ、別に批判してません)。それでいいし、そういう物でないとコストに見合った売上を確保できない。至極当然である。これも当たり前なのだが、鬼滅の刃という作品はおそらく本来はもう少し早く公開される予定だったのだろう。結果としてコラボが先行する形となり、そのコラボの多さも社会現象化に拍車をかけた。映画関連商品もやや供給過多気味である。もしかすると、私の購入した映画のノベライズも公開より少しあとに出される物だったのでは?と思うほどだ。しかし結果としてほぼ同時期に発売されたそれは、わたしのような一定の距離を保ちたいライトユーザーにとっては大変に魅力的な商品となったわけではあるけれど。前フリが長くなってしまった。映画館の利益は上映される映画チケットだけではない。確かに夏以降スマッシュヒットが立て続けにあった。ところが、去年ベースと比較してもやはり洋画が圧倒的に少ない。映画ファンが楽しみにしていた作品もないとなれば、映画館に足を運ぶ理由が薄れる。また、映画ファンには少なからず高齢者も多い。高齢者はコロナを避けるため映画館はますます窮地となった。映画の利益を二分する飲食にしたって、観客動員数が減ってしまえば見込めなくなってしまう。ましてや、席の間隔を空けなくてはならない。これだけ映画館の救世主と持ち上げられた鬼滅の刃であっても、それ1本で映画館全体を救うほどのインパクトは望みすぎというものだ。よってこの記事が指摘するように、依然として映画館は窮地にたたされている。私の地元にはかろうじて映画館があるが鬼滅の刃が公開されるまでの人の少なさはとにかく異常だった。ほぼ貸切だったくらいである。わたしは映画を見るなら映画館でと思うくらいには映画好きだが、鬼滅の刃に関して今後どのくらい記録を伸ばすのかというニュースだけは注目していきたい。

 

それじゃあまたね(了)