ムジカのぶろぐ。By @ryoushitsu

ムジカのキオク。♪note:https://note.com/ryoushitsumusica ◆YouTube: https://www.youtube.com/channel/UCWvTBOe1O9GICLtyreUu-6Q

電通・社員の個人事業主化は良策?~過労死を引き起こした企業の社会的責務を問う~(嶋崎量) - 個人 - Yahoo!ニュース



社員を個人事業主化するという話は割とよく聞くけども。

最初に聞いたのはおそらくドライバーの雇用形態だったと思う。運送業だ。運送業に従事しようとするものは、軽バンを買い、それに社名を付けて個人事業主となる。そして、大手運送業者から仕事を請け負う。1個運んでいくらという仕事だ。そこには会社員という感覚はない。個人事業主は規定の休みはなく、社会保障も怪しい。労働時間も自由だ。なにせほぼまるまるフルコミッションと言うべき仕事である。労災もない。もちろん固定給じゃなければボーナスもないだろう。わたしはその働き方をしたことはないが、確かに厳しい職場環境だと感じている。その分儲けようと思えば儲かるかもしれない。けれどどこにも保証はない。それこそ怪我や病気でもしたら終わりだ。いまそんな個人事業主型の仕事が増えようとしている。今気づいたけど、個人タクシーもそうなのかな。話を個人事業主に戻そう。正社員はこれまであらゆる手当に恵まれ、あらゆる優遇措置が取られてきた。それは社会保険料を沢山収める代わりに手厚く保護されてきた働き方だ。しかし、個人事業主型の仕事の進め方はこれを真っ向から否定する。そもそも会社から保護されているという感覚すらもはや時代にそぐわない。ジョブ型雇用などと言われるそれはまさに、スキルの高い人が賃金が上がり、そうではない人は賃金が下がるか、会社から退職を宣告される。正社員か、個人事業主かのその間にあるような新しい個人事業主のあり方を、電通は示した。しかもそれは来年1月からだという。もはや明るい年明けなど見込めそうにないのだと最終通告された気分だ。電通がそうするなら、そのほかの広告代理店もいずれそうするだろう。しかも、この個人事業主型の仕事の進め方はあらゆる労働法の保護を放棄することを目的とする。そして、最も恐ろしいのはそれが10年雇用という期限付きであることだ。10年後、その時にその仕事がまだ自分に残っている保証などない。それは個人事業主だからそうだというべきなのか、それともそれほどまでに正社員は保護されすぎて牙を失ったのか。どちらにせよ、誰も守らない社会がもうすぐ目の前にやってくる。それは電通だけの話ではない。すべての中小企業はその波に飲まれるだろう。その最終目的は会社の存続である。利益の追求は会社が存続してこそであり、その存続に貢献するものでなければ遠慮なく切られるだろう。果たしてわたしたちはどんな2021年を迎えようとしているのだろうか。また、同一賃金同一労働法もある。それが2021年の4月から中小企業にも適用されるのだ。その分の賃金アップを図ろうとすればどうしても正社員の優遇措置を減らすか無くすしかなくなる。いずれボーナスという考え方すら過去のものとなるだろう。正社員とは?パートとは?その差は無くなるのだとしたら正社員の優遇措置を切り崩すだけで収まらず、電通のように、正社員から個人事業主への転身を勧められるような時代がまさにやってくるのだ。それをチャンスと捉えられるか。少なくとも電通のそれは、競合他社の仕事を禁止している時点で首輪を付けられた個人事業主である。そんなものは、飼い殺し以外の何物でもない。そして10年で捨てられる。それは言葉を選ばずにいえば希望退職を勧告する予備軍を炙り出す施策そのものだ。新たな時代の閑職は、まさにサバイバルゲームさながらの、無法地帯と化すだろう。

 

つくづく、怖い時代になった。

 

それじゃぁまたね(了)