ムジカのぶろぐ。By @ryoushitsu

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熱意や好意は逆効果 転職先はあなたの価値を見ている|出世ナビ|NIKKEI STYLE



とんでもなく耳が痛い話だ。

わたしが転職を決意したのが昨年の8月。そのとき、わたしの身の回りでは次々に得意先の仕事が無くなり、途方に暮れていた。このまま、現職で頑張っても報われないかもしれない。そんな焦りにも似た感覚はやがて私を転職へと駆り立てた。転職したい。いや、転職しなければ。もう若くない。転職するなら早い方がいい。あの頃はまだ売り手市場などと言われていた。秋にはドッと求職者が増える、そんな何処から得たのか分からない情報に惑わされた私は、混乱状態となっていく自分の頭をフル回転させてリスクを取っていく。そして頭の中は、もう決めたことだ。後戻りは出来ない。後戻りなど恥ずかしくてしたくない。やるなら確実に転職しなければ。そうでなければこれまで培ってきたキャリアが全て無駄になる。いや、そう思いたくないわたしが逃げてきただけかもしれない。だがやりたくない事をしている時間の方が人生の浪費だ。もちろん安定した生活を送れる保証などない。何処のどんな仕事をするのかも決まってなどいない。だけれど1度決めてしまったことは、覆すことはできない。1度夢見てしまった希望を無かったことになどできはしない…。希望。確かにあの時はそう思った。わたしはここでは無いどこかに行くのだ、と。そのための気力も能力も備わっている。あとは、そのことに気づいて行動に移すだけだ。大丈夫。私ならどこでもやって行ける。だって、これまでもそうして来たじゃないか。わたしは私を信じているし、私の中の第六感が叫んでいる。いまこそ、選択の時である、と。そんな妄想にも似た幻想を夢みた私はとりあえずやってみたい仕事に求人が出ているのかというリサーチから始めた。そしてそれがいまも門戸が開かれているという事実を知り、いてもたってもいられなくなったわたしはすぐさま転職エージェントサービスに登録する。1個では不安だ。2個、3個、4個。目に付いたものは全て登録。職務経歴書はひとつ作れば流用できるさら便利だ。窓口は沢山あった方が良い。なにせ、私もいい歳である。これまで人に自慢できるようなキャリアを積んできたとは言い難いけれど、自分はやりたいことをやって来たのだという自信だけは人一倍であった。できる。わたしならできる。逆に言えば今しか出来ない。だから、今できることをするのだ。チャンスは待ってても訪れない。こちらから勝ち取ることができる人だけが、成功するのだ。わたしはそのことに自覚的であった。だからどんなに有り得ないことであってもまずは自分が納得出来ることをしなくてはならない。例えそれがしらみ潰しのように途方もない作業であったとしても。今やっておかなくてはきっと数年先に後悔してしまう。そんなことはしたくない。ただでさえわたしは既に後悔している。どうしてこんなになるまで放置してきたのか。私の中のあらゆる感覚が麻痺していた。これでいいのだ、私の人生の終着地点はこのへんなのだ。もう、頑張りたくない。もう頑張れる気力は残っていない。わたしはそうやって自分をなだめる事ばかりしていた。それは目の前の辛い現実から目を背けていただけのただの怠け者の考え方であった。成長を続ける先に明るい未来があるのだとすれば、怠惰な今には暗い明日しか残されてはないない。その事実を薄々感じながらも目を背ける日々。わたしは怠惰な時を貪るだけの卑怯な大人に成り下がっていたのである。そのことにはたと気づいた。そして走り出す。このままではダメだ。より良い未来を勝ち取るために今努力しなければもう伸び代はない。今できることをがむしゃらにやれる自分を取り戻さねばならない。それはおそらく辛く険しい道のりだろう。楽であるはずがない。むしろ今までが楽しすぎていたのだ。モラトリアムな時間はもう終わり。現実を見る時がきた。わたしは怠け癖を払い除けつつもう一度立ち上がらねばならない。子どもに恥ずかしい自分を見せるわけにはいかない。理由はなんでもいい。私が納得出来ればそれでいい。あとは自分がここなら頑張れると思えるか否か。その1点のみである。そしてあらゆる不採用の嵐を乗り越え、唯一たどり着いた場所は、灯台もと暗しという程に私の目の前にあった。そして藁をも掴む思いでそれを手にした私はなりふり構わずその職場でお世話になることを決意する。それが、わたしの去年夏から採用が確定した10月末までの顛末である。そしてわたしはギリギリ2ヶ月先の12月末で退職することを前職場に伝えたのである。あれから10ヶ月。2020年も11月中旬を過ぎ、もう少しで12月だ。今年は大変な1年だった。いや、ここまで大変になるとは予想出来なかっただろう。しかし、その荒波に耐え、できることわ確実に増やしてきたわたしである。まだ完璧ではない。けれど、できることを1つずつ増やしてきた。それは事実だ。そして。去年の私と比べて見違えるほど、逞しくなったわたしである。この記事でドキッとさせられたのは、転職活動において、私がこの職場で得られるメリットばかりを問うてもダメだということだ。この職場にわたしが雇われることで、職場にどんなメリットがもたらされるのか?という視点が大切である。わたしは、この地域のことを知っているというメリット。そして、前職場とのゆるやかな関係性を維持しながら、いざと言う時にスムーズに連携ないし、時に敵対できるというメリットをもたらしたに違いない。あとは、わたしという人間が培ってきたスキルと経験は最低限、現会社において有益であったのだと思う。いや、そう思いたい。そう思わねば、わたしという小さなプライドがポキリと折れてもう二度と立ち直ることなど出来なくなってしまうからだ。人間、最後はそういう個人的な意地で立っている。わたしはそう思う。あなたはどうおもう?

 

それじゃぁまたね(了)