ムジカのぶろぐ。By @ryoushitsu

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【漫画】出産から半年後、涙もろくなった… 理由に共感の声「自分の子と重ねた」(マグミクス) - Yahoo!ニュース



母になったという夢物語よりも、そこにあるある意味で残酷な現実が胸に深くつきささる。

妊娠&出産から育児までの変化は、理想からの現実を思い知るながれそのものではないだろうか。この漫画を見たとき、育児におわれていた頃を思い出した。2時間おきに泣く。ミルクを与える。眠れない。泣く理由がわかはない夜。とにかく雷のように泣く。オムツを変えるのはまだいい。後処理だからだ。辛いのはあらゆる処置をしたのに改善せず、どうすればいいかわからない状況が延々と続くときである。まさに地獄。しかも大抵がその地獄は夜中か、気が抜けた昼過ぎにやってくるからタチが悪い。この筆者のように、子をさずかったときに、親としての認識にわたしも自然と目覚めるのだと思っていた。しかし、現実には戦争のような毎日でそんなことを感じることもできぬまま、目の前の生き物をなんとか生かそうとするだけの戦闘員となっていた。その生き物を可愛いと思うことがまったくなかった訳では無い。しかし、可愛いと思う瞬間というのは、子どもがわたしに甘えてくる瞬間、すやすやと安らかに寝ているとき、ぐらいのもので、それを感じるためには自分に余裕があるときだけであるから、結果としてそんな瞬間はほとんど無いのである。その戦争のような時期は、子どもが幼稚園に上がるまで続いた。およそ3年である。3年戦争を続けたわけだ。親に育児の話を聞いても忘れた、というのは、まさに戦争のようなもので忘れたいものでもあるのかもしれない(もう一度言う、子どもが可愛くないわけではないし、その時期をなかったことにしたい訳でもない)。漫画の話にもどる。この記事の中で一番、突きつけられたのは、母乳を拒否された筆者が出産後はじめて涙する瞬間。その瞬間に、子育てをするわたしを美化ないし夢物語化させていたわたしと、現実のわたしとの乖離を突きつけられたに違いない。なんで上手くいかないのか。なんでわたしではいけないのか……。など、考えてしまう。それこそがある意味で残酷な現実である。私が居なくてもこの子は生きていけるかもしれない。実際にはそんなことは決してないのだけれども、目の前の事実をそのように感じてしまったとき。その目から流れる涙は感涙や感動のそれでは決してないはずである。育児はとんでもなく大変だ。人間を育てたことの無い人が出産という一大イベントを終えたあと、すぐさま強制連行される育児戦争である。ミスできない。頼れるのはわたしとほんの少しの伴侶の手助けのみ。そのことは経験した人にしかわからないと言いたくはないが、その事実を経験したものだけが流す共感の坩堝が、この漫画には詰まっている。あなたの流した涙は、感涙のそれですか。

 

それじゃぁまたね(了)