ムジカのぶろぐ。By @ryoushitsu

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『ファイナルファンタジーXIV 光のお父さん』の元ブログを書いた男が2020年にがんで逝去するまでに遺した生き様(東洋経済オンライン) - Yahoo!ニュース



ならば覚えていてほしい。マイディーさんは確かに生きていたんだ。

マイディーさんのことを語れるほど私は深くは知らない。マイディーさんの存在を初めて知ったのはやはり光のお父さんのTVドラマが始まるときだったからだ。その頃にはもうブログが話題となっており、彼のTwitterは凄まじい更新頻度でタイムラインを賑わせていた。何度か、彼のツイートに反応したことがある。そんな間柄である。彼は別にFF14しかやらない人ではなかった。最初は専任プレーヤーかと私は思った。しかし、更新されるブログの中に他のゲームもあったし、プラモデルの記事なども含まれていた。彼の操る、マイドオーキニさんこと、マイディーさんは、猫の耳をつけた女性キャラだ。大きな猫目がギョロりとこちらを凝視してくるかと思いきや、爽やかなブラウンのおかっぱヘアーがとにかくチャーミング。服装もモンクらしく、胴は帝国の服。脚はスパッツと、動きやすいスポーティな装いで統一されていた。頭にはカチューシャが印象的であった(これはデフォルトかな?ミコッテ♀はキャラクリしたことないから不明)。そんな有名人が住まうサーバーは、グングニル(通称槍鯖)。エレメンタルDCであるため、わたしの住まうイフリートはガイアDCということもあり、おいそれと会いに行ける世界ではなかった。しかも、気づいた時にはGLAYのTERUさんが、同じくグングニルに降臨しており、グングニルサーバーはGLAYファンで沸き立つ人気サーバーであったと記憶する。わたしも隙を見て人気のない夜中にこっそりグングニルにララフェル♂を作っておいたのだが、終ぞそれを活用することはなかった。近くて遠い国。それがグングニルであった。だから聞こえてくるツイート、例えば、「マイディーさんに会ったよ!」とか「ムッキーちゃんに会えたあ!」とか言うのは、私からすると「吉ララに会えた!!」と同じくらいに「有り得ない」出来事であり、わたしは彼や彼らの活動を主にTwitterで知るだけということになっていた。特に印象に残っているのは、モグステーションのメンテが予告されると必ずメンテ開け前にポスト前に正座待機するというあの儀式だろう。彼は新しいアイテムを購入することを至上の喜びとしていたし、欲しいものがあれば買って大喜び。欲しいものが無ければ吉田コールで嘆きを表すという一連のお約束を必ずと言っていいほどやっていた。それが本当に楽しんでいるんだなと感じられ、見ていて微笑ましかった。彼が手がけていた新人育成の一環として、YouTubeで展開されたあのチャンネル(光のお姉さんだっけ)もいくつか見ていた記憶がある。マイディーさんの後輩思いの優しい指導は、誰も置いていかないぞという兄貴肌を感じていたし、何度失敗しても優しい口調でアドバイスをする彼の物腰の柔らかな姿勢には同じ年代特有の何か近しい感覚を感じていた。とは言っても私はそういった事かできない人で、どちらかと言えば手のかかるわがままな新人であったので、尊敬の念と言った方がより正しいのだけれど。でもそんな私でも、真剣に人と向き合い様々な問題を解決していくマイディーさんが、自身の父親との距離を埋めようと決めたことはとても凄いことだと改めて思う。私自身、両親とはあまり仲がいいとは言えない。特に父親とはほとんど口を聞かない関係である。それを改善しようと思ったことも無いし、こんなこと言うといけないのだろうが、正直に言ってしまえば、父親から何かを学べることがあるとは思えないのである。私の父親は多芸な人だ。そして多趣味である。あらゆる趣味を極めており、それを鼻にかけるところがあるからか、友達が居ないという偏屈者だ。技も知識もあるのに友人がいないとはまさに宝の持ち腐れ。かくゆうわたしも、友達はいない。リアルには一人もいない。エオルゼアにはいるよ?エオルゼアをきっかけに、Twitterを通じて知り合った彼ら、彼女らはわたしの友達だ。だが、わたしはどうも友達というものを避けてきたように思う。それはつまり、わたしが他人を下に見ていたから?いやいや。逆だ。あまりにも私がダメすぎて自分自身を惨めに感じてしまうので、人と交わりたくないという理由である。それなら自己研鑽でもして自分に自信を持てば良かったのであるが、根っからのインドア派のわたしは、つい最近まで人に誇れるような趣味はひとつも無かった。最近はゲームや音楽を趣味とすることが立派な趣味として認知されているが、インターネットのない昔はオタクは蔑まされ、疎まれる存在であった。だからひたすらに隠して生きていかなければならなかったのである。だから趣味が合う人など見つかりにくいばかりか、いつしか話が合わないと決めつけ、交流自体を避けてしまったのである。話しても理解されない。他人を理解もできない。一人がいい。誰かに否定されたり、誰かを無理やり理解しようとするなんて、疲れるだけだもの。この1人でいいという感覚も、ぼっち○○という言葉が生まれる前までは、恥ずかしいことだったのである。今は1人で楽しむことの何が悪いのかという風潮だ。あの頃の私が現代に生きていればもっと生きやすかったのかもしれないとも思うのだけれど。まぁそれにしたって、未完成のまま、未熟なツイートをして炎上しなくて済んだことは不幸中の幸いである。数々の失敗を経てわたしもそれなりに処世術を身に付けた。そのお陰で変に炎上してしまうような事態は今のところないし、今後もないと願いたい(何か失礼があればすみません)。話が逸れたので戻そう。マイディーさんの新人を守ろうとする姿勢はわたしたち当時の新人からするととても助かった。わたしのような超初心者がいてもいいんだという安心感は彼からもらったと言っていい。実際にはかなりキツめの洗礼を受けた私であるが、その直後のとあるFCの先輩方、そして、今も尚わたしを認識してくれている良き兄のキート君が、やめないで続けてほしいと言ってくれたおかげで、今の私がいる。それはマイディーさんのようなドラマティックな物語とはまるで違うのだけれど、それでも、私は心から救われたと断言出来るリアルなエピソードとして、十分すぎるほどにわたしの人生に彩りを与えてくれたのだった。会えなくなった人がいる。元気にプレイしているあの人たちもいる。そして。ムジカとなった私がいる。ムジカが表現する世界はゲームを飛び出して、TwitterYouTube、AppleMusic、TikTok、そして、note、はてなブログにいまや様々な顔を持つまでになった。ネットの海は広大である。しかし、知見は洪水に飲まれ、消えゆく微かな灯火だ。ならばわたしが、私たちが覚えておこう。彼、マイディーさんがいたことを。マイディーさんはこのエオルゼアの世界を存分に、心から楽しんでいたのだ。それは今も私たちの心の中にあって、輝く光のクリスタルとしてそばにいる。

 

それじゃぁまたね(了)


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