ムジカのぶろぐ。By @ryoushitsu

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[E3 2021]「STRANGER OF PARADISE FINAL FANTASY ORIGIN」が発表。本日6:00から体験版が配信へ。FFの新たな方向性を示すアクションRPG



ファイナルファンタジーオリジンとはなにか。

何かと話題を振りまいている作品だ。ストレンジャーオブパラダイス ファイナルファンタジーオリジン。2021年のE3で発表されたばかりのファイナルファンタジー派生作品である。あるのはトレーラーが1本だけ。内容はまだよく分からない。公式サイトも、公式Twitterも覗いたがよく分からなかった。なにをもってオリジンと呼ぶのか。亜種ではないのか。ファイナルファンタジーらしくないファイナルファンタジーを目指すのならば、それはオリジンではない。再定義であり、挑戦であり、Remixである。トレーラーに登場するキャラクターはおよそ光の戦士らしくない悪者感に満ちている。ぎりぎり規制されない汚い言葉を吐き捨てながら、目の前のモンスターを完膚なきまでに叩き潰す。飛び散る血。潰されて肉塊と化す敵。いや、クリスタルか。そのクリスタルは青ではない。赤である。まるで血だ。あまりにもダーク。あまりにもグロテスク。タイトルにパラダイスとか入っているのは違和感しかない。ストレンジャーと言うのはまあ百歩譲って良いとしよう。それなら、ザ・ストレンジャーファイナルファンタジー オブ ザ・ダークネス〜とでも名付けた方がまだ分かりやすかったのではと思う。少なくともパラダイスではない。ファイナルファンタジーには勇者はいない。あるのは冒険者だけだ。そこに無慈悲に現れるモンスター。そしてそれらを駆逐するうちにいつしか光の戦士としての役割を与えられるようになる。それは伝説の戦士ではあるが、正義の味方では本来ない。光と闇の均衡が崩れる時、闇の氾濫を抑えるために光の戦士が闇の力を抑えるために闇の力を駆逐する。そうして光と闇の均衡を保つのだ。善と悪ではない。その逆が、ファイナルファンタジー14 漆黒のヴィランズである。つまり、光の戦士には闇の力を抑えるという目的がある。闇の戦士にも、光の力を抑えるという目的がある。ではガーランドはどうか。のちにカオスとなって立ち塞がる彼は闇の勢力である。ガーランドとして戦った時は単なるガーランドである。しかし2000年前にタイムスリップして力を蓄えたガーランドは、カオスと名乗り、闇の帝王として現代に蘇る。それがファイナルファンタジーである。オリジンと言うのはファイナルファンタジーの原点としての作品という意味だろう。それはすなわちナンバリングタイトル第1号である、ファミコン版のファイナルファンタジーを意味する。逆をいえばただそれだけだ。そこにバイオレンスさやダークさは含まれていない。つまり、ファイナルファンタジーオリジンという作品の中にあとから追加されたエッセンスである。その部分を言い表す言葉として、ストレンジャーという言葉がある。だが、パラダイスは理解できない。パラダイスは直訳すれば、楽園である。しかしその楽園は何処の、何に対する楽園なのかサッパリわからない。エデンの園という意味なのかもしれない。知恵の実を食べたアダムとイブが楽園から追放されてしまうあの話か。それならば、楽園にいるストレンジャーとは何なのか。本来居るはずのないストレンジャー。それがあのむさくるしい男たちだとするならば、ガーランドもまた、ストレンジャーである。楽園とは地上にある場所ではない。地上の楽園は幻想である。すなわちファンタジーだ。最後の楽園をファイナルファンタジーと訳すならば、その楽園にあってその秩序を乱すもの。それをストレンジャーと呼ぶのであれば、ガーランド同様、彼ら主人公たちもまた、ストレンジャーであり、異端者である。異端者同士の醜い争いを描こうとするならばなるほど合点がいく。ナレーションでいかにも女神のような女性の声。恐らくコーネリアの王女なのだろうが、その声に代表される楽園の住人からすると異端中の異端。ガーランド。やがてカオスとして地上に君臨する彼に対峙する彼らもまた異端者である。異端者の目的は何なのか。自分たちの好きなように生きることを目的とするなら、そこにあるのは考え方の相違である。カオスとなって世界を破壊し尽くそうとするガーランド。それに対して、冒険者として何にも縛られず、好き勝手に生きるために楽園から追放され、冒険者として流浪の旅を続ける3人。誰か1人のエゴによって世界のルールを変えようとすることに反発する勢力。カオスが闇の力を得て増幅するのであれば、その逆の力を得て対抗する。それこそが、光の戦士としての力。記憶の中に眠る力。その世界観を現代のオリジンとして、再構築しようとするのであれば。確かに新しいファイナルファンタジーという物語をつむぎ出すことができるだろう。ガーランド、コーネリア王女。そして、一介の冒険者。その手にはクリスタルが握られている。クリスタルが持つ記憶の力。英雄の力。それは光の戦士と呼ばれる光の力。ガーランドが闇の戦士としてカオスとなるなら光の戦士として光の力を増幅させるクリスタルを使用することは理にかなっている。そこに、世界を救おうとか、コーネリアの王女のためにとか、そんなヒーローとしての目的は本来はない。単に、ガーランドのやり方が気に食わなかった。それだけである。だからガーランドを完膚なきまでに叩き潰すために1番手っ取り早く、効率的な力を求めただけに過ぎない。彼ら主人公たちがやたらと現代風な髪型や立ち振る舞いをしているのは、もしかすると異世界転生ものかもしれない。現代のニューヨークあたりで暮らしていた3人が突如、ファイナルファンタジーの世界に飛ばされてしまった。そんな洋画にありがちな設定だとしたら。これは案外化けるかもしれない。少なくとも面白そうである。体験版がデータ破損によってプレイ出来ないことはとても残念だ。スクウェア・エニックスの株価も今日だけで5%程度下落したらしい。何とも恥ずかしい失敗を晒してしまった。それも全世界にである。来年の発売を目指すゲームなのだからここは冷静になってまずは期待して集まってくれたファンにお詫びのコメントを出すべきではないだろうか。今やるべきことは1秒でも早く改善することではあるが、それ以上に、プロデューサーが、お詫びをして、今後の見通しを示すことである。ファイナルファンタジーというブランドイメージを損なってしまう前に、まずそこを速やかに対処して欲しい。私の好きなファイナルファンタジーをこれ以上非難の対象にしてほしくはないのである。はやく公式に謝罪したのほうがいいよ?

 

それじゃあまたね(了)


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