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経済学者が解説「小売店の閉店」続く本当の理由 | The New York Times | 東洋経済オンライン | 経済ニュースの新基準

 

興味深い記事。

出だしはこうだ。

小売業界に起こっているこうした状況を「小売業の終末」と呼ぶ人たちもいる。これをeコマースの台頭のせいにするのは簡単だ。実店舗が苦戦する中で、ネット通販は成長している。それに、アマゾンなど、ネット通販を行う小売業者が消費者の行動を劇的に変化させたのは明らかだし、ウォルマートやターゲットなどの大手小売業もインターネット上での存在感を強化しようとしている。

小売業の終末は肌で感じてきた。

一方でeコマースは破竹の勢いである。

それらに相関図があると 

思い込んでいないか?

というのが趣旨である。

主にその理由は3つある。

ひとつは、倉庫型店舗の成長。

アメリカでもほかの国でも、人々が買い物する場所が変わってきている。ショッピングモールに入っているような小さな店舗からはだんだん離れて、独立型の大型店舗で買い物をするようになっている。シカゴ大学の経済学者、チャド・サイバーソンとアリ・ホタツは、4年前に小売業の近年の状況を分析し、会員制の倉庫型ディスカウント店やスーパーセンター(大型ディスカウント店で食品も扱う)は、eコマースを上回る規模で成長したと述べた。

日本にいるとややこの辺は

どうなんだろうと思う。

確かにコストコは日本に相次いで進出。

IKEAもそうだ。

どちらも倉庫型店舗の代表。

倉庫の中から欲しいものを選んで買う。

それは敷地面積の大きな倉庫で

価格もかなり手頃だ。

それらが台頭したことにより

大型ショッピングモールに小さく収まる

売店舗が苦戦しているという。

アメリカではそうなのかな?

 

次に上げられているのが

所得の格差だ。

高所得者層にカネが集中していくにつれ、小売業全体が苦しくなっていく。それは、所得が多い人たちは、自分の所得のかなりの割合を貯蓄に回すからだ。政府の家計調査では、階層別の支出を調べている。その最新のデータによると、所得の上位10%の層は、税引き後所得額の3分の1近くを貯蓄に回す。これに対して、中間層は所得の100%を支出する。したがって、中間層の所得が細っていき、トップにより多くのカネが回ると、全体としての貯蓄率が上がることになる。

この考え方は的を射ていると思う。

日本でも中間層と言われる人は

ほぼいなくなりつつある。

皆が平等に貧しくなっているのではなく

利益が富裕層に集中した。

その結果、可処分所得が極端に減り。

中間層の金回りが急速に先細りした。

一方の富裕層は本当に価値のあるものにしか

お金を回さないばかりか、

その所得のほとんどを貯蓄に回すので

結果として経済は停滞したというのである。

うん、実にわかりやすい。

何となく感じていた閉塞感は当たっていて

まあ悲しいかなわたしも下級市民なので

先細り組なのですが、

一方で富裕層がガバガバお金を使って

いないなということも知っていたので

これはかなりの納得感のある指摘。

 

そして最後がとても面白い。

それは

モノではなくサービス(体験)にお金を使うようになった

という。

まじか。

 

引用より。

過去を10年ごとに区切って見てみると、アメリカ人が所得をモノに使う割合は減り続けており、サービスに使う割合が増えている。小売店もモールも、強大なオンラインストアさえも、売っているのは依然としてモノだ。政府の統計によると、消費者の健康関連分野への支出は、1960年には所得の5%だったが、現在では18%になっている。私たちは教育や娯楽、ビジネス関連のサービスなどにより多くを支出するようになっており、そうしたサービスは従来型の店舗では販売されていない。

かくゆうわたしも音楽CDを買わなくなり、

本や漫画、映画DVDも買わなくなった。

かわりにサブスクリプションサービスに

お金を払うようになったのである。

また、私の好きな娯楽のゲームも

実店舗ではなんら購入しないで

ネットで取り寄せるし

オンラインゲームの月額は

サービス(体験)のためである。

わたしが実店舗で買うもの?

食材、薬、生活雑貨だけ。

せいぜいコンビニか、ドラッグストアだ。

そのほかの店舗には一切いかない。

あ、ガソリンスタンドはいくけど。

レジャーにお金を一切使わないし

なんなら出かけないし

公共交通機関も使わない。

そうした心理的変化、経済的変化が

小売業者を終末に追いやっているのだ。

経済学者は、なぜ人々がモノではなくサービスにカネを使うようになっているのかを議論するが、現実にその状況が起きていることを否定する人はいない。つまり、モノを売っている小売業者は、事業を続けていくためだけに、ますます必死で取り組まなければならなくなるということだ。

必死に取り組むという表現が

あまりに切実で、かつ虚しく

さらに薄利であるが故に

少しの損失が命取りになり得る。

それは、Amazonも例外ではないと

この記事は締めくくる。

eコマースであれ実店舗であれ

生活に必要なものは売れるが

利益は薄まるばかり。

サービス(体験)は需要の変化の

スピードが早すぎる。

頼みの富裕層も貯蓄するばかり。

実体経済の難しさは

ここにすべて集約されてるのかも。

もういっそ、

ベーシックインカムにして

みんなでお金を共有しようよ。

そしてそれをたくさん使うために

必要なものはお金に変わるなにか。

それこそが

「信用」なのかもしれない。

 

それじゃあ、またね(了)