ムジカのぶろぐ。By @ryoushitsu

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NFTがゲームにやってくる--プレイヤーは準備せよ - CNET Japan



NFTをゲームに用いる未来は来るか?

   その答えはまだない。しかし、その答えは私たちが持っている。なぜならその答えを決めるのは私たちゲーマー達だからだ。

 

    paytoWin、TIMETOWin、いろんな言い方がある。ゲームで勝つために何を代償に支払うのか?という問である。この問に対して、あらゆるゲームはお金、すなわちリアルマネーか、もしくは時間、すなわちプレイ時間の長さを求めるゲームを設計した。それはやり方に違いはあるけれど、その求めるところは同じく、ゲームを運営している会社が儲けるためである。プレイヤー同士の戦いを唆(そそのか)し、煽(あお)る一方で、そのための武器を買わせる。代金はリアルマネー。もしくは長いプレイ時間を要求される。プレイ時間が、長ければ長いほど、そのゲームに掛かる月額利用料は膨れ上がり、結果としてゲーム会社が儲かるという仕組みだ。ただしその仕組み自体は悪では無い。ゲームを運営する会社は何のために運営しているのか?と言えば、皆、儲けるためだからである。それは、我らが吉田直樹氏が率いるファイナルファンタジー14もまた同じである。

 

   しかし、彼はそのオンラインゲームの常識をそのまま踏襲することはしなかった。長いプレイ時間を最適化し、飽きさせないよう様々なコンテンツを提供した。物量を増やしたのである。その結果、多彩な遊び方が存在するいまのテーマパークが実現した。プレイヤーは思い思いの遊び方をすることができ、「結果として」プレイ時間は長期化する。そして、「結果として」スクウェア・エニックス社は、過去に類を見ないほどの巨大なオンラインゲームを今も尚運営させ、日々進化させ続けている。

 

   吉田直樹氏が採用したのはTIMETOWinである。しかし、それも従来のゲームに比べると大幅にスリム化された。それは、後続プレイヤーが先発プレイヤーに追いつきやすくするためである。それはゲーム体験を優先させた結果として機能した。つまり、エオルゼアに来たプレイヤー達は、ストレスなく最新作まで追いつくことが容易となったことで、エオルゼアに居る意味を見出し、「結果として」長く居続けることを良しとするプレイヤーが増える結果となっている。

 

   NFTについて吉田直樹氏はどう考えているのだろうか。それは考え方によっては、吉田直樹氏が採用したなかった方に該当する。つまり「paytoWin」である。NFTはリアルマネーを要求するからだ。それが「勝つため(=Win)」のpayになるのか、ならないのか。ここに疑問点が存在する。なぜなら、誰もが、NFTは「儲けるため」として認識しているからだ。先程の言い方を借りれば、さしずめ「playtoearn」。日本語で言えば、「稼ぐために遊ぶ」である。それはゲームを遊ぶために遊んでいたプレイヤー達の「playtoplay」を根底から覆してしまう危険性を孕む。つまり、趣味と実益を兼ねることで、仕事にしたとたん、趣味にならなくなり、つまらなくなってしまう状態と酷似している。

 

    「playtoearn」をしている人はまだ少ない。しかしすでに一定数居るのは確かだ。それはわかりやすく言えば、ゲーム実況者である。または、プロゲーマーと呼ばれる人達だ。ゲームが好きでそれをこなす事でお金が貰える状態である。もしも、仮にファイナルファンタジー14がそうなったとしよう。いや、ゲーム実況ならもう既に存在する。彼らは好きにプレイしているだけで問題は無いのかもしれない。だが、確実に言えることは、ゲーム実況者として生計を立てるために、あらゆるゲーム(興味のないものも含めて)を買い続ける生き方を強制されている状況であるとも言える。果てしてそれは幸せなゲームライフと言えるのだろうか。

 

   もう1つの可能性について考えてみる。それは、ファイナルファンタジー14にNFTが導入された未来だ。それはキャラクターに着させられる服のMODや、キャラクターメイキングそのもの(アバター)だとわかりやすい。つまり、今まではスクウェア・エニックス社から提供された公式の服やキャラクターを使うしか無かったのが、これからは、プレイヤー同士が提供する服やキャラクターを使ってゲームをプレイできる。誰かが作った服を買い、誰かが作ったキャラクターを使う未来だ。そこには一定のルールはあるだろうが、おそらくは闇市のように、無限に、無秩序に、広がって行くことが容易に想像出来る。わかりやすく言えば、R18のエッチな衣装またはキャラクターである。

 

   すでにファイナルファンタジー7リメイクにおいてその傾向が見受けられる。ファイナルファンタジー14でも、非公式に様々な衣装や、見たことの無いポーズをとるキャラクター、ボディラインを強調したキャラクターを日々、Twitterで見かけることがある。まさにそんな世界だ。

 

   少し前に、ファミコンのゲームがネット上に無料公開されて問題視されたことがある。それを規制したい任天堂側と、アングラに展開するクリエイター達の熾烈ないたちごっこが繰り広げられた結果、最終的に任天堂がクリエイター達のほしいものをオンラインに提供することで、コピーすること自体を無収益化、無効化した歴史がある。実はわたしはこのNFT関連の話もまた、同じ歴史となると思っている。

 

    つまり、これまでいろんな非公式キャラクターや衣装をすべて認めて、それらを公式にする。そうする事で非公式に取引すること自体を無効化させる。そして、利益の1部をゲームメーカー側に支払うというものだ。そのビジネスモデルは、今をときめくGAFAM達が進める、プラットフォーマーのそれと同じである。そこにようやくWinWinが成立する。

 

   しかし、思い出してみれば、吉田直樹氏はメタバースやNFTに関連して「それらが世界観を壊すものであってはならない」としていた。しかし、世界観を壊すかどうか?という基準はもはや機能しない。なぜなら世界観を守るという尺度は全てのプレイヤーに委ねられており、もはやメーカー側に存在しない世界線になると予想されるからだ。しかし、ゲーム運営者は必要である。だが、それはもはやゲーム会社というより、アーキテクトである。言い方を変えれば創造主であり、もはや国そのものだ。私たちは本当の意味で、エオルゼアの国民になるのである。

 

    長くなってしまった。結論。わたしはメタバースの進化を通じて、エオルゼアの国民になれる未来が来るとすれば歓迎したい。それによってリアルの仕事がなくなってもなんら問題はないとすら思っている。しかし、もし仮にそうなってくるとするとエオルゼアはプロのゲーマーがひしめき合う世界に変貌する。それは今のような平和な世界ではなく、富を奪い合うような殺伐とした世界観だろう。それを良しとするか否かは私には決められない。なぜなら、それもまた、私たちゲーマー達の総意にかかっているからである。皆でいい世界にしよう!(あれ?リアルと同じに聞こえるな)

 

それじゃぁまたね*˙︶˙*)ノ"

 


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