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『FF16』新情報公開が2022年春頃に延期―当初想定から5~6か月の開発遅延が発生 | インサイド



信じてない訳ではない。だが

   2021年ももう終わる年の瀬。何か忘れている気がしていた。それがFF16の続報だ。YouTuberの中でも新情報はいつなのか?という話題を散見していた。吉田直樹氏の最も優れたスキルは宣伝の上手さとスケジュール管理能力だと思っているわたしは、2021年内と言っていたので2021年に必ずなんらかの情報解禁はあると思っていた。それがあらゆる発表会でことごとく裏切られ、沈黙を保った。そして年末。わたしは一縷の望みを、年末ギリギリのどこかであると思っていたのである。なぜなら彼はスケジュール管理能力と宣伝のスペシャリストだからだ。だが。FF16では今回の発表を見る限り、その両方とも機能しなかったということらしい。

 

   これだけでFF16が駄作であると決めつけるのは早計だ。確かに2021年内の発表はできなかった。しかし、吉田直樹氏のコメントの中にほぼ作り終えてクオリティアップをしていると言っている点はさすが吉田直樹氏と言える。しっかりとこちら側の気になる進捗を匂わせてくれている。しかもかなり具体的だ。ここに言及できるプロデューサーは稀である。大抵がお詫びして次の続報をお待ちくださいで終わるからだ。ご丁寧に次の情報は5月頃とまで書いてある。実に吉田直樹氏らしい。遅延の理由についても言及されていた。それはコロナ対策による在宅勤務、本体からの指示の遅れ等予想できる範囲の理由だけでなく、業務キャンセルという深刻な理由まで明かされている。ここを見る限り吉田直樹氏が想定する以上の進捗遅れがあったことは想像にかたくない。FF14の時のような竹を割ったような言い方ができないのは、彼がFF16のディレクターではないからだ。つまり部下であるディレクターへの配慮が若干見受けられる。しかし発表の期限を設けている点は上司として最大限待てる時期を来年のGW頃に設定した格好だろう。遅くともそれまでには確定させよ、という吉田直樹氏の業務命令である。

 

    FF16は世界的な巨大なプロジェクトだという点においてわたしは認識を改めなければならないかもしれない。つい世界中でプレイされているFF14と比較してしまう。なぜなら、FF14もまた世界的な巨大なプロジェクトだからだ。そこで行われているプロジェクトの大きさとそれほど変わらないのでは無いか。と内心思ってしまってはいたが、おそらく違うのだろう。いや、考えてみれば、バトルシステムは1から作っているだろうし、ムービーシーンはFF14で言うところのOPシーン並のクオリティをすべてゲーム内に入れなければならない。それは見た目や芸術性等も問われるはずだ。しかも一個や二個ではないだろう。全てが1から作り上げるファイナルファンタジーだ。何度もプレイし直してチェックする行為はもはや荒野をひとりで歩くこととと同じように果てがない上に地図すら存在しない無限の旅である。誰も遊んだことの無いゲームを、誰もが楽しめるクオリティにする開発はFF14を1から作り直すことと同じであるはずがない。むしろ無から1を生み出す方が圧倒的に困難であるはずである。

 

   ここまで書いてきて、吉田直樹氏のもうひとつのスキルに気づいた。それは彼の周りに優秀なスタッフが集まってくることだ。それは圧倒的なプレイヤー目線のゲーム作りであり、語られるストーリーメイキングに集約される。つまり、プレイヤー目線とはゲームをプレイする側の気持ちのコントロールである。これを遊んだ時にどう感じるか?どうしたいと思うか?という点についてはおそらくだが間違いがない。誤解を恐れずに言うと、それは初心者に優しいという意味ではない。もしかすると初心者にはかなり不親切だと思われる。つまりよくよく調べたり考えたりしないといけない部分はおそらく残されるはずだ。なぜならそれこそがプレイヤー目線であるからだ。ただ一方で初心者にも楽しめる配慮はする。これは想像だがメインストーリーを追う分にはかなり簡単にしてくると思っている。つまりクリアは簡単だ。だがやり込み要素ではかなり不親切にしてくるだろう。そして最も重要なのはストーリー。ここについてはおそらく間違いがない。なぜなら漆黒、暁月で見せたあのストーリーを指揮した彼ならある程度の予測は出来るからた。それはかなり辛辣でグロテスクで、ダークなテイストのそれである。このあたりもティザームービーを見る限り、おおよそは外れないだろう。

 

   ここまで書いてきてなんだ問題がないじゃないかと思った。おそらく間違なく面白いだろう。だが唯一、いや、敢えて心配点を挙げるならばそれは、スケジュールである。彼がディレクターに配慮するあまりに遅れ、または、彼自身のゲーム作りへのこだわりが許さない場合である。そうすると発売が遅れる事はありうる。まさに暁月のフィナーレが2週間遅れたように。あぁ別の心配もあるかもしれない。それは何か。魅力的なラスボスを作れるか?という点である。

 

   FF14と他のシリーズとの最も異なる点は、FF14に登場するボスが他のシリーズのオマージュであることだ。そして主人公格キャラクターもまたオマージュであることである。それが許される。だが正式なナンバリングタイトルである最新作のFF16はそうではない。徹底的にオリジナリティが求められる。それはむしろオマージュではいけないのである。他のファイナルファンタジー関連作品に登場する基本となるボス、ないしキャラクターであることが求られる。この点についてはFF14と16は全く異なるのだ。

 

   かねてより、吉田直樹氏は自身のことを、ゼロから作り上げることが得意なクリエイターではないと公言している。しかしFF16に別のディレクターを立てている点について内心は思うところがない訳では無いだろうと思う。ただ、FF7の北瀬氏と野村氏を思えば、吉田直樹氏は北瀬氏と同じ地位になろうとしているのだ。吉田直樹氏は北瀬氏になれるだろうか。分からない。だが素質はある。それは徹底的なプレイヤー目線であり、ストーリーテラーであり、彼自身ゲーマーであることを思えば間違いがないではないか。そして今回はいよいよそれが証明される。予算も規模も過去一に違いない。いや、もう彼にできなければ、誰にもできはしない。わたしは信じる。吉田直樹氏を信じる。彼はすべてのファイナルファンタジーのファンを裏切らない。

 

それじゃぁまたね(了)


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