『FF14』に見るサブスクの本質 吉田直樹氏ロングインタビュー：日経クロストレンド

私の尊敬する人にメタバースについて聞いた素晴らしい記事。

   ぜひ読んで欲しい。会員登録は求められるけど無料で読めます。サブスクリプションの是非についてはどちらかと言えば本稿の本筋ではない気がする。私の感覚で言うなら、サブスクリプションサービスとは単品で買えるものを定額制で提供することで、買うか？買わないか？という躊躇を省くことが出来ることで、興味のある分野を定額でほぼ無制限に使えるサービスのことを指す。そういう意味で言えば、ファイナルファンタジー14というMMORPGはサブスクリプションサービスに近い気もする。しかしそれは単品で買えるものでは無く、そもそもが月額利用料を必要とする。そうい言う意味では、オンラインサロンに近い。わたしは吉田直樹氏というYouTuberに心底惚れて、課金し続けるフォロワーでもあるからだ。

    ゲームをするために対価を払う。この図式は正しい。楽しむためのエンタメなので、楽しんだのであれば対価は発生する。なぜならそれはサービスだからだ。ビジネスだからである。そこに何の不満もないし、むしろこんなに安くていいのかと不安になるくらいにはエンタメが充実していると思っている。もともと過剰サービスが売りだったスクウェア・エニックス社であるので、過剰サービスをしてくれることはむしろいつものことではあるのだが、それをしっかりと黒字コントロールしてくれる吉田直樹氏にはただただ感謝と尊敬の2文字しかない。素晴らしいサービスを継続してくれてありがとうございます。

   サービスを利用するとき、そこに快適性があるか？は非常に重要だ。そして、そこを運営してくれているスタッフに対する信頼はそのまま居心地の良さになり、将来に対する安心感に繋がる。つまり、この場所に課金することは無駄にならないという確固たる自信である。わたしはそれさえあればいいと思っているひとりだが、この記事を読み込むと、安心感こそ最も提供が難しいコンテンツなのだと思わされた。それを提供するには、あらゆる要素が複雑に絡む。しかもそれは信頼という目に見えない力によって支えられているからにほかならない。

    彼を褒め称える賛辞はこれくらいにして、本題に移りたい。それはなにか？それこそ｢ファイナルファンタジー14は、メタバースなのか？｣という命題である。ここに切り込んでいる記事を見るのは、本稿が初めてである。

    メタバースは現実をデジタルに表現する世界だ。そこには生活があり、仕事があり、通貨がやり取りされる。つまり、世界をそのままデジタルに置き換えることを意味しており、それは既に、可能な世界観である。その世界観に1番近く存在する会社はご存知、Facebook改め、Metaであるが、先日の買収によってそれはMicrosoftであると言ってもいいのかもしれない。それがSONYや任天堂でないことにはやや残念な気持ちもあるが、いずれにせよ、世界基準が出来てからの話にはなるため、フロンティアを開拓する会社はアメリカ企業の方が望ましいのだろう。

    対するファイナルファンタジー14は、日常をデジタルにしている訳では無い。仮想空間で再現されているのは、友達の存在と、友達と遊ぶという体験、知らない人とコミュニケーションをとってお互いにわかり合い、協力するという部分のみである。つまり、日常のあれやこれやは省かれ、コミュニケーションのみがデジタル化された世界だ。生活（のようなもの）はあっても、仕事もなければ、通貨もない。そういう意味ではファイナルファンタジー14はメタバースであるとは言えない。1部の要素は追加されたとしても、目指すべき世界がまるで異なるからだ。単に、メタバースが目指す新しいコミュニケーションのあり方がそこに存在しているだけである。

    吉田直樹氏は言った。メタバースのようになるかもしれないと。けれどもそれは結果として｢なった｣ものであり、目指すべき世界線ではないのだと。そういう意味で｢もし万が一東京がエオルゼアに再現されたとして、それが世界観を破壊するものであってはならない｣と釘を指したのである。

   ファイナルファンタジーが目指すもの。それは現実の置き換えではない。ファイナルファンタジー好きが集まり、闊達に意見交換ができるコミュニティだ。それはファイナルファンタジーが好きだという条件が必要である。そこに、ファイナルファンタジーがメタバースではない最大の理由が存在する。メタバースの場合も、メタバースが好きという条件は存在するだろうけれど。メタバースのように通貨はあってもいいよ？吉田直樹さん？

それじゃぁまたね*˙︶˙*)ﾉ"