ムジカのぶろぐ。By @ryoushitsu

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古塔つみ スケボーのイラストが逆反りで裏表反転だと話題!ロゴは『81TEEZ』と特定

 

問題の本質はどこにある?

   トレパクで盛んに問題視されている古塔つみ氏。お詫びをしてからその後なんの音沙汰もないが、連日のように彼(彼女)の作品の粗探しが横行していることを受けてモヤモヤしてしまった。個人的にはどうなんだろうと思う反面、クリエイターは発注者がいて初めて制作することから、発注者にも何らかの問題点があるのではないかと思えてきた。もちろん、彼(彼女)を信じて一任したかもしれないので真相は不明だ。どちらにせよ、この問題が浮き彫りにするのは、彼(彼女)のトレパクが、一体何処までをトレパクと表現するのか?という曖昧さにある気がしてくる。

 

   トレースは全て悪だとする論調が目立っている。だが一方で他人の作品をトレースして別の作品に「昇華」させる「トレース」はクリエイターとして間違ってはいないという意見もある。その曖昧さを残したまま、どちらが悪いのかという犯人探しに発展している。また、そこから、彼(彼女)の作品の未熟さを指摘するような粗探しすら始まっているのが現状だ。それは、敢えて非現実的にしたのか、それとも偶然そうなっているのか。ここでもまた彼(彼女)のあやふやさ、曖昧さがネックになっている。

 

   それもまた絵の中に佇む少女を彷彿とさせるテーマかもしれない。個人的なことを言えば、別にイラストはすべてリアリティを遵守しなければならないとは思わない。空想であってもいい。本来あるべきものがなくても、本来ないものがあってもいい。イラストを見た時に、心になにかを訴えかけてくるような、メッセージがあればそれでいいとすら思っている。トレパクがこれだけ盛んにバッシングされることは、トレパクされた本人または企業が難色を示し、非難または抗議のメッセージを発信しているからである。

 

   そもそも、こういった問題は「された側」が訴えることで成立するケースが大半である。日本企業は静観している…という報道も見かけるが果たしてどうだろうか。海外企業は…わからない。もちろん、訴えられてしまうかもしれない。そういったこともあるだろう。しかし、それを公表することで、少なからず企業側にもイメージダウンがある。そこに企業は怯えていることが正直なところだろう。今回の問題は、改めて、日本人が持つある種の細さや正義を振りかざして悪を滅ぼそうとする風潮、それらにまつわるあらゆるネットリテラシーの是非が渦巻く結果になった。イラストのパクリ疑惑とは、元を辿れば主にTwitter上にイラストを上げる場合のタブーという文脈が色濃く残っている気がしてならない。

 

    彼(彼女)が独学でイラストを学んでいるため、イラストがまだ未熟であるとする意見もある。そうかもしれない。けれど、わたしは今回の件で古塔つみ氏を知ったひとりだ。そして、彼のイラストを一目見てそれが魅力的であることを感じた一人である。それはトレパクという騒動とセットになってわたしの耳に飛び込んできたのだが。

 

    いてもたってもいられなくなったわたし。早速、わたしは新進気鋭のイラストレーター150人が掲載されているという「イラストレーター年鑑2022(タイトルは適当です)」を即座にネットで購入。その中で、彼(彼女)が、ほかのクリエイターと何が違うのか?を調べることにした。そして1ページずつ念入りに見てみた。どれも見事なイラストばかりで、買ってよかったと思えるほどに感動してしまった。

 

    その年鑑の表紙を飾るのは、古塔つみ氏である。中面にはロングインタビューも敢行されており、かなりのパワープッシュぶりであることが伺える。確かに彼のイラストには時代感があり、とても目立つ。80年代のあの頃のキラキラした輝きが好きなわたしとしては十分に魅了されてしまった。トレースは悪だとして、それを踏まえた上で見ても彼のデザインセンスは正直に素晴らしいと思えるし、色使い、表情、文字の書体、全体のバランス、どれをとっても今年を象徴するようなアグレッシブさに長けている。もしわたしが他の作品をトレースしたところで、ここまでの完成度にはならないだろう。

 

    これをトレースとするのか、オリジナルと呼ぶのかは、やはり曖昧だが、作り出されたプロダクトは魅力的であった。だが一方で、これを「今までは問題なかったからいい」とするのはあまりにも乱暴だし、これらが若い人をターゲットとしたプロダクトである以上、今の若い人たちから非難を浴びるような事があってはいけないこともまた事実である。つまり、プロダクトを生み出す上でのルールの善し悪しを決めるのはクリエイターではなく、受け手にある。クリエイターが自由に作品を作ってもいい場所は自分の個展に限定されるべきだろう。商業作品では問題である。これだけ話題に上がれば宣伝効果は抜群で、それはそれでよしとする意見もあるにはあるのだけれど…。

 

   いずれにせよ、問題は沈静化しそうにない。そして、これらの報道が目指す先は、彼(彼女)が社会的に罰を受ける事態になること。それまでは当面終わりそうにないだろう。その点についてわたしは何もコメントできないし、したくない。ただ言えることは、今回の問題は彼(彼女)とその周りの人達が起こした大きな問題であり、問題提起である。そしてそれによって罰を受けるのであれば、これは仕方がないのである。ただし、それを見守る私たちは、便乗して彼(彼女)の個人情報をネットに拡散したり、彼を誹謗中傷することは控えた方がよさそうである。わたしはこの問題(というか話題)は気になるものの、これ以上大きくなって欲しくないと願っている1人である。

 

それじゃぁまたね*˙︶˙*)ノ"    


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