ムジカのぶろぐ。By @ryoushitsu

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日本企業の「PDCA病」、トヨタ流を妄信的に見習う時代の終わり – SAKISIRU(サキシル)



PDCAは目指すべきゴールに早く到達する方法論でしかない。

 

   極論。トヨタカイゼンの極意は目指すべきゴールが間違いなく定まっていてそこに至るための長距離走の最強のルーティンである。それは世界が停滞している時にこそ力を発揮するシステムだという意見だ。わたしはこの意見に触れてとても目からウロコがボトボトとこぼれ落ちる気持ちになった。つまり、そういうことである。しかし、それは同時にそれだけということでもある。

 

   PDCAサイクルを回す途中で、P(プラン)が変更になるような時代である。つまり、間違いなく定まっていたゴールはもはや存在しない。誰もがどこに行けばいいのか戸惑い、彷徨う世界だ。その中に置いて、一見それらしい答えを定めて闇雲にPDCAサイクルを回すことに本当に意味があるのか?C(チェック)したプランをさらにA(アクション)に繋げる時、A'くらいならまだいいが、それが全く異なるBや、C案になっていては、Aを検証したCすら無意味になりかねないからだ。つまり、Aの難しさが高難易度になっている時代においては、Aこそ考えるべき最も重要な課題である。と同時にそれはイマジネーションを膨らませ、あらゆるライフスタイルを1からデザインし直すくらいの発想力が必要という分野だ。この分野にいくら世界のトヨタと言えど太刀打ちできるのだろうか。

 

   わたしはトヨタが好きだ。彼らは素晴らしい努力をひたすら続けている日本一の技術を誇る企業体だ。どんな状況でも彼らならなんとか危機を脱してくれると信じているわたしだが、上記のような危機を迎えていることはます間違いがないだろう。もしかすると、アイディアは彼から生まれないかもしれない。なぜならその危機はトヨタというよりは、日本人すべてが苦手な分野であるからだ。

 

   それならばどうすればいいのだろう。わたしはカイゼンをしつつも現状維持していくしかないと思っている。持久戦だ。今できることを1つずつこなしていくしかない。それは地味でかっこ悪い行為かもしれない。けれど今すべきことがコロコロ変わる現代において、トヨタでは巨大企業すぎる。1歩足を踏み出したら後戻り出来なくなってしまう。それならば無理をせず周りの様子を伺いながら身の振り方を考える時間に当てるしかほかはあるまい。

 

   なにもするなという意味ではないけれど、ある意味で何もしない方がいいのかもしれない。そして、ココ!という方向性が見えてきたときに動き出せばいい。最初こそ負けるかもしれないけれど、最終的には勝てる。なぜなら、P(プラン)さえ決まってしまえば、規模感、スピード感、完成度においてトヨタに勝てる企業はそうそうないからだ。もちろん、方向性が決まったら、の話ではあるけれど。

 

   逆に言えば、方向性が決まってもすぐにコロコロ変わる今の時代はトヨタには不得手である。それがこれからのビジネスの基本になる時代が来たとしたらそれはかなり厄介だ。もはやPDCAは回せなくなるからだ。もしかするとその可能性は低くはないのかもしれない。

 

   そうなるとやはりトヨタは分社化するしかないだろう。そして細かくそれぞれの分野でP(プラン)を即座に実行して世界のスピードについて行くしかない。それはより細かくより早く細分化されていく。もしかすると、トヨタは自動車メーカーではなくなってしまうかもしれない。それくらいに天変地異が起きるとすれば、それは持久戦と言っていられないだろう。その可能性を探るチームがきっと今も世界の覇権を虎視眈々と狙っている。誰かが先んじるその時を。その誰かはきっとトヨタでは無いのである。それでも私は日本人が生き残る道はそこにしかないのだと強く思っている。

 

それじゃぁまたね(了)


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