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マスコミ4媒体はなぜ「ネットに敗北」したのか~電通が発表「2021年広告費の成長」を読み解く(東洋経済オンライン) - Yahoo!ニュース



すべてのメディアは、セグメントメディアであれ。

   誰に何を届けるメディアなのか?という問に真っ先に答えられること。それが令和のメディアに求められる価値だ。インターネットに価値があるのではなく、インターネットには同好の士が集まりやすいという性質があり、そこがある種の人種にのみ刺さる強力なセグメントメディアになりうるというだけである。そこには、紙か、電子版か、ということは本質的な問題ではない。あくまで、そのメディアに集まる人達をどうセグメント分けして考えているか?だ。テレビが弱くなったこともまた、ドラマが好きな女性向けと絞った結果、そこのセグメント数が、これまでのマスメディアという大まかな大皿からすると、少なく見積もられるというだけである。

 

   私が普段関わっているメディアは、地域に住む人達というセグメントメディアだ。ジャンルで言えば、フリーペーパーである。フリーペーパーはあえて地域を狭めることで、何処の誰に何を届けるメディアなのかがハッキリした。一見するとマスメディアに比べて小さすぎると思われた対象が、地域を区切ることで対象が明確にセグメント分けされ、その地域に訴えたいことがあるクライアントからすると無駄のないジャストサイズのメディアとなったのである。これは、いままで、広告をマスメディアという大きくてよく分からないざっくりとした大皿でしか考えてこなかった広告主からすると、発想の転換である。

 

   そんな地域メディアであるが、年齢層や性別、家族構成をセグメント分けすることはできない(ある程度はできるけど)。だが、時期と地域を特定することはできるところに大きな利点がある。逆を言えば、時期と地域を特定することができるのは、地域メディアと地方のテレビ、インターネットだけだ(新聞もあるけど)。インターネットはインターネットに慣れ親しんでいる層というセグメントメディアであるため、それ以外のインターネットにそれほど親しみがない層を除外してしまう。だが、地域メディアはそれを包括できると言える(読まないという層はいるけどね。存在は知っている程度の)。地域のテレビではセグメント分けが県単位となるだろうし、新聞でもやや大雑把なエリアのセグメント分けとなってしまう。そこに「無駄」が存在するから敬遠された。

 

   テレビは素晴らしいメディアだ。テレビをつけるだけで勝手に情報が流れ込んでくる。だが問題がふたつ。ひとつが特定の時間帯にテレビの前に居なくてはならないという縛り。もうひとつが面白い番組を作り続けなくてはならないという予算面の縛りだ。テレビは、広告で成り立つモデルであるため、面白い番組で人を集めるというより、いかにクライアントが喜ぶ(=売れる)番組を作れるかという視点になる。それが=で結ばれているならいいのだが、昨今は、クライアントが喜ぶ売れる番組は、視聴者から「やらせ」だとか、「嘘ばかり」と言われて飽きられてしまった。そしてもっと個人的な趣味や、好みや、話題を求めて、視聴者はインターネットに大挙していったわけである。自分だけにセグメント分けされた話題、番組を求めて。

 

   地域メディアにそれができるのか?と言われれば多分難しい。ただ、テレビのようなトップダウンではなく、ボトムアップのようなジワジワと広がっていく感覚は与えられる。つまり、テレビ様のような上段構えではなく、ひっそりと、影から見守るような黒子のような存在になれる。それはどうしてそうなるかといえば、地域メディアの発信者もまた、地域を構成する仲間の1人だからである。そこに運命共同体という感覚が芽生え、ある種の「共感」が生まれる。

 

   もっと言うと、「おらが街」といわんばかりの、地域自慢をしたくなる気持ちをくすぐる、といっていい。私の街にはこんなにも細かく伝えてくれるメディアがある、という誇らしい気持ちだ。そこに、テレビのような、奇抜さや、時代性、バラエティ具合など求める人はいない。つまりコツコツとシンプルに、情報を整理し、ほんの少しだけ「オシャレ」に、「可愛く」整えてあげるだけでいい。それは手を抜いているとか、下に見ているという訳では無い。過剰なサービスはそれ自体が「やらせ」だったり「嘘くさい」情報になってしまう。そのことを防ぐ唯一で確実な賢い方法。それに則って(のっとって)いるだけである。

  

   これからは「地方の時代だ」と言われて久しい。わたしもその言葉を信じているひとりだ。地方VS都会という訳では無い。都会にはこれからも人口は集中し続けるだろう。田舎は人は減る一方である。しかし、そこに生活する人たちは存在するし、ある日突然居なくなったりしない。昨今の戦争のように、ある日突然崩壊でもしなければ、という条件付きではあるのだけれど。

 

   それを考え出したら、都会も田舎も関係ないだろう。なにも、限界集落という訳では無い。ある程度人の流動性がある地域であれば、それは半永久的に活動できるエリアだと言っていい。そこを盛り上げるため、もしくは、住んでいてほんの少しだけホッとできるような存在。そんな地域メディアでありたいとわたしは思っている。あ。もちろん、わたしが目立ちたい!とか、有名になりたい!とかは全くありません。メディアは育って欲しいけどね。

 

MUSICAでしたm(*_ _)m

 


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