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プーチンは錯乱している?その憶測は「正常性バイアス」かもしれない(JBpress) - Yahoo!ニュース



非常時では、あらゆる判断を非常時に合わせる必要がある。

 

   ロシアについて多くを語れる人は少ない。なぜなら未だよく分からないことが多いからだ。そしてわたしもまたよく分かっていない1人である。だからロシアがウクライナを侵攻するかもしれないと囁かれ、大使館の職員が次々と帰国してゆく局面でわたしは「戦争などするはずがない」と考えていた。なぜなら「戦争してウクライナの領土を獲得しようとする行為はリスクが高すぎる」と通常なら考えるからだ。それは国際社会からの強力な制裁があるからだというような、わたしのような一般市民ですら容易に想像がつく理由があるからである。しかし、その大方の予測を裏切るかのように、ロシアはウクライナを侵攻することに躊躇しなかった。

 

   この記事の言う「正常性バイアス」という言葉に集約されるが、この指摘は大変に興味深い指摘である。私達もなるべく常識で考えたくなるのだ。つまり、正常性という言葉が意味する普通に準じて行動するべきであるという論調である。「ロシアはウクライナを攻めないだろう」という正常性バイアスは、裏を返せば「ウクライナを攻めたロシアのプーチン大統領は錯乱しているはずだ」という論調を意味する。そうでないとこの状況を普通に考えて判断できない。つまり辻褄が合わないのだとする判断である。

 

   正常性バイアスはあらゆる場面において、致命的な判断ミスを誘発する。特に非常時における正常性バイアスは危険そのものだ。正常性バイアスは希望的観測と言い換えることができる判断であり、現実を見ていないケースがほとんどである。見ているのは現実ではなく、自分自身の中の普通という判断基準の方であり、その比重がはるかに高い。そうなると現実などどうでもよくなり、重要な事は、自分自身の判断基準だけ、という事になってしまう。それが非常に大切な判断をする場面で起きやすい致命的な判断ミスの原因である。

 

   この話を聞くとどうしても私個人としては、国家における存亡を掛けた戦争というスケールでは実感することが難しい。だが一方でこの手の話は個人レペルの話として置き換えてしまいやすい話である。すなわち転職時の正常性バイアスである。

 

  個人における非常時とは、まさに転職をしようとする状況に匹敵する。言うまでもなく転職とはそれまでの生き方を根本から覆す自己クーデターだからだ。そういった非常時には往々にして正常性バイアスが働く。なぜならそうでもしなければ怖くて動くことすら叶わないからだろう。現実を認識することが恐ろしすぎるからだ。

 

   もしかしたら無職になってしまうかもしれないという恐怖に直面する場面において、その恐ろしすぎる現実を真正面から直視できる人は少ない。やや乱暴に聞こえるだろうが、ロシアに当てはめて考えれば、もしかしたらロシアがウクライナを攻めたことで自国が無くなってしまうかもしれないと言う恐怖を直視出来ないことと同じである。そのためにあらゆる判断は正常性バイアスにかけられ、判断される。そこから導かれる答えは致命的な判断ミスである。

 

   正常性バイアスによって判断された結果かどうかは定かではない。しかしおそらくそうだと思われる。だから私たちはその判断を客観的に見た場合、私たち自身も正常性バイアスにかけて「ロシアは戦争をしないはずだ」という正常性バイアスをかけてしまうことはとんでもなく致命的な判断ミスとなったのだ。だがいま、現実を認識してみると、戦争は始まってしまっている。そのことだけを認識した時に「きっとプーチン大統領は錯乱してしまったのだ」と判断することは、この記事の筆者いわく「それこそが正常性バイアスである」ということになる。

 

   事実を事実として認識した時、このロシアのウクライナ侵攻は単に二国間だけの戦争ではないと判断するほうが自然である。隣国ポーランドやその隣のドイツがウクライナ侵攻に加担する日はそう遠くないだろう。それらはある日を境に勃発するのではなく少しずつ進行する。そう遠くない日に日本も巻きこまれる可能性は高まっている。つまり、今のこの状況はすでに大枠において第三次世界大戦であると言っていいのではないだろうか。

 

   これは言い過ぎだという向きもあるだろう。しかし、現実を認識するとその判断を客観的に考えた時、「第三次世界大戦は起きない」とする判断こそ、まさに「ロシアはウクライナを侵攻しないはずだ」とする正常性バイアスと同じことではないだろうかとわたしは思う。

 

   仮に「すでに第三次世界大戦は始まっている」という判断をした場合、ロシアはウクライナを絶対に諦めないだろうと想像出来る。そしてウクライナもロシア侵攻を止めるためにあらゆる手を尽くすはずだ。結果はどうなるか分からないが、そのウクライナに加担することになれば、私たちはいま、第三次世界大戦の真っ只中にいると考えることは自然である。きっと私達の子どもや孫が学校の歴史で学ぶことになる歴史的出来事として「2022年、第三次世界大戦勃発」という事実は揺るがない事実だと考える方が自然なのかもしれない。

 

それじゃぁまたね*˙︶˙*)ノ"


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